『DZ』 小笠原慧
小笠原慧(精神科医岡田尊司)の作品ははじめて。
内容(「BOOK」データベースより:一部修正)
アメリカ・ペンシルベニア州で、夫婦の冷凍死体が発見された。五歳の息子は行方不明のまま、事件は迷宮入りする。一方、日本では、異常な兆候を示す少女がいた。数年後、恋人を亡くし、重度障害児施設に赴任した女医・志度涼子は、保護室に閉じ込められた少女に出会う。そして、運命の歯車は容赦なく回り始めた―。人類という種が背負った哀しい宿命(そんな大層なことはいっていない。単に、新種の可能性や悲哀)を、壮大な(日米両国にわたるって意味ですかね?)スケールで描いたヒューマン・ミステリ。第二十回横溝正史賞正賞受賞作。
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正直、非常に拙い作品。
とにかく、前半がわかりにくい。数多くの登場人物が時点も場所もバラバラに紹介されていくが、ほとんど深堀りされることなく、途中まで一体誰が主人公なのかわからない。
最初の行方不明の子供(デイビッド・ゾリンジャー)の写真の件についても、何を言いたいのかよくわからず、それこそ単に文章の説明力のなさから迷宮入りしそうな案配。
結局のところ、志度涼子、グエン・シーゲル(=デイビッド・ゾリンジャー)、スネル(元)警部が主要な登場人物ということになろうが、どれも魅力に乏しく、キャラクターが立っていない。
スネル警部は及第点かもしれないが、こういった作品にありがちなキャラクターで新味に乏しい。
志度涼子は最初の登場時と比較すると最後の方は同一人物とは思えないようなキャラクター(心境)の変化が見られ、通して読むとちょっと落ち着きが悪い。特に男性観の変化・変節は唐突すぎるのじゃないか。死んだ石橋直洋も浮かばれないし、この途中で死んでしまったキャラクターの哀れさが逆に妙に引き立ってしまう。
最後の近江愛育園でのくだりはスピード感があって楽しめたが、どうも最後がご都合主義の感が否めない。
特に、最後の余韻を持たせようとしたのかもしれないが、主人公志度涼子の遺伝子特性についてはあまりにも都合良すぎて、読後感を非常に悪くしている。
総括すると、この作品を読んだ限りでは、続けてこの作家の別作品を読もうという気にはなれないということ。また、気が向いたら読むことにしましょう。
お奨め度:★★☆☆☆
再読推奨:★☆☆☆☆
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