『オイアウエ漂流記』 荻原浩
2009年、106冊目。荻原浩『オイアウエ漂流記』
面白い。
ラストが唐突で残念なんだけれど、無人島を探検するワクワクするような面白みと、それまでの都会・社会生活との歪みを嗤うような話で、楽しく読めました。
トンガ王国ファアモツ空港からラウラ諸島共和国へ飛び立った小型旅客機(ラウラ国際空港FR601便)が遭難する。
「オイアウエ」を連発するトンガ人の巨漢機長により、無事飛行機は海に着水する。”荷物(カーゴ)”と称する犬を助けようとした機長が飛行機と運命をともにしたほかは、乗客合わせて10人とセントバーナード1匹は何とか救命ボートで海へこぎだすことに成功した。
乗客は日本人3組とアメリカ人が1人。
1組目はトンガにゴルフ場を作るための視察にやってきた(株)パラダイス土地開発の開発事業部4人(河原部長、安田課長、菅原主任(34)、塚本賢司(28))と、スポンサー候補の泰豊グループ副社長野々村晃(30代前半)。
1組は新婚旅行でトンガを訪れた薮内昌人(36)と白川早織(32)。
1組は戦友慰霊の旅にやってきた中村喜介(84)と孫仁太(小4)。
唯一の外国人はジョセフ・サイモン。乗客名簿では米国の貿易商トニー・ルチアーノ(45)となっていたが、実はトニー・ルチアーノからチケットを奪った過激な環境テロリスト「マリンガーディアン」の一員だった。
彼らが辿り着いたのは小さな無人島。
一方、現地の救助は早々に打ち切られてしまう。
当初は無人島とも知らず、救助は早々にやってくると信じた面々だったが、一向に現れない救助という現実を認識していくうち、それぞれ建前を脱ぎ捨て本音で生きるようになっていく一行。
河原部長は当初は従来通りのパワハラぶりを発揮し、スポンサーである野々村に媚びへつらうのだが・・・。
安田課長は当初こそ河原部長の意見を汲々と受け入れるのだが、巨大な体躯を活かして一行に君臨しようと試みる。
白川早織は薮内昌人と結婚してしまったことに不安を覚え、この遭難を機に人生を変えようと考えていた。
やっぱりラストが唐突なんですよね。
一行に救助が来ないまま、少しずつ減っていくページを気にしながら、「この作品って次巻へ続く」ってことになるのか、と思っていたんですが・・・。
えーっ、こんな終わり方!という驚きと怒りの声が上がりそうなラストでした。
結局、現代社会へ戻って彼らはどうなっていくのか、そのあたりもエピローグとして欲しかったですね。
それに、本当に「オイアウエ」の機長って死んでしまったんでしょうか。この作品のノリだと、”実は助かっていたんだけど、遭難者の救助要請をするのをすっかり忘れていた”というようなオチのような気がするんですが・・・。
うーん、このあたりの解決篇的な続編はないものなんでしょうか。
お奨め度:★★★★☆
再読推奨:★★★★☆
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