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『少年少女飛行倶楽部』 加納朋子

Syonensyojo 2009年、74冊目。加納朋子『少年少女飛行倶楽部』

うーん、ちょっとタイトル負けの内容。

「飛行クラブ」を巡る青春小説なんですが、どうも中身が薄い。

中学に入学した主人公が親友に誘われるようにして、正体不明の「飛行クラブ」に属することになり、(不平たらたら)無気力な部員らを引っ張りながら、熱気球による飛行を成し遂げるまでの話です。

 

中学1年の佐田海月(くーちゃん)は幼なじみの大森樹絵里(ジュジュ)にひきづられるように、謎のクラブ「飛行クラブ」に入部することになる。

”空を飛ぶことを目的とする”という、不可思議なクラブはまだ部としては認定されていなかった。

なにしろ、部員といえば、とにかく偉そうで何もしない部長斎藤神(カミサマ)と、斎藤の近所の同級生中村海星(野球部と兼部)の二人だけ。

5人揃わないと部にならないため、内申書のため仕方なく海月は部員探しに奔走する。

見つけたのは、入学直前に自殺未遂を起こしたと噂される少女仲居朋(るなるな)。

高所平気症のは変人の”カミサマ”部長にも臆せず、入部に同意する。

また、野球嫌いの野球部1年餅田球児中村は飛行クラブへ誘う。

こうして部員は5人揃ったが、顧問となった立木信長は全くやるきがない。新年度に入ってからの部活動に予算はつかず、海月たちは資金もなしに部活動を始めることとなる。

しかし、金もなく、部活動の方針もたたない中、部長の斎藤は不平をならすだけで、自身では何をするでもない。

見かねた海月は子ども向けに実施されるトランポリン教室に参加させるなど、斎藤にかわって部を引っ張る。

職場体験で派遣された先(スーパー星川)で熱気球を発見した海月は、店主星川に借用を願い出る。何とか借り受けることに成功した海月だったが、飛ばすためには球皮の修繕が必要だった。

アルバイト禁止の彼らは夏休みを利用しての古本回収や小動物の預かり等で、小金を貯めると、気球の修理にあてるのだった。

人のネガティブ情報を好んで探し回り吹聴する問題児戸倉良子(イライザ)も入部するなど、問題山積の飛行部だったが、文化祭でのテイク・オフを目指す海月だった。

しかし、顧問の立木は熱気球の話を聞くと目を剥き、猛反対する。何かあった際に立木の責任問題になるからだ。これに猛烈に反論する海月の剣幕に慄き、良子の囁く脅迫めいた言葉に、一旦は引き下がった立木だったが、星川に中止を要請することは容易に想像できた。

先手を打って星川に談判する海月たちのもとに、立木が現れた。立木の言葉にうなずく星川だったが・・・。

 

「飛行クラブ」という正体不明のクラブ名は『屋上ミサイル』の屋上部を彷彿とさせますが、どうもうまく調理できていない印象です。

屋上部と比較すると、やはり「飛行」ということで(作品中では範疇が定まらないことが連呼されていますが)それなりに活動が限定されてしまいますし、どうも活動へ至る道のりがどうも迂遠です。

キャラクターもどうもぱっとしない。主人公の海月こそ描写は細やかですが、変人の部長は単に極度に内向的な性格にしか見えず、その魅力がどうも伝わりません。極度のシスコンで、どうもひいてしまうような設定です。

友人の樹絵里にしても、(樹絵里はちょっとシリアスな部分もありますが)単なる変人の域を出ておらず、なかなかまとまりがありません。

他のキャラクターについても同様で、どうも薄っぺらい感じは否めません。

ストーリーが秀逸かといえば、必ずしもそうとはいえず、ラストも無理矢理盛り上げようという意図が見え見えで、ちょっと興を削がれてしまいます。だからといって、何も事件もなしに終わるには、ちょっとツライ展開ではありますが・・・。

お奨め度:★★☆☆☆

再読推奨:☆☆☆☆

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